有限会社 寺平美術平版代表取締役社長 寺平 貴



―経営者になろうと思われた動機やキッカケは何だったのでしょうか?
私が26歳の時、前社長である父が急逝したんです。あまりに突然のことだったのですが、悲しみに耽る間もなく事業を継承しました。当時、家業に入って3年程度は経過していたのものの、私は現場の仕事をしていたので、経営に関わる仕事については全くの無知でした。社長就任時、私は27歳。右も左も分からない。聞ける相手もいない。そんな状態から私の経営者人生がスタートしました。

―なるほど。会社を継承されて事業自体が変わったというような変化はありましたか?
事業自体に変化はありません。創業当時から、印刷業です。

―ありがとうございます。代表に就任されてから約30年という長い歴史がありますが、事業を展開・拡大しようとされたことはありませんでしたか?
やはり、「餅は餅屋」。そんな風に考えています。印刷には工程があります。弊社は、その工程ごとに各分野のプロフェッショナルとチームを組んで取り組んでいます。確かに、弊社の得意な工程の前後の工程も弊社でやれば、外注に出すことが減りますので利益は出しやすくなります。しかし、弊社がそれをやってしまうと外注先が困ってしまいます。私は、そんなことはしたくない。「餅は餅屋。」これからもこの考え方を大切にしていきます。

―「餅は餅屋」。まさに、プロフェッショナルですね。御社の最も得意とされる分野をお聞かせください。
何といっても「特色印刷」ですね。弊社では、「カラー印刷」も行っているのですが、カラー印刷は使うインクが4色なのでどうしても色の再現性や表現力に限界があります。特色印刷はカラー印刷では表現できない色をインクを練り合わせて表現する印刷方法なんです。弊社には、「クライアントが欲しい色」を再現できる職人さんがいます。そして、CCM(コンピュータ・カラー・マッチング)という、表現したい色のインクの配合を数値化することで「欲しい色」を常に高精度で再現できるシステムも導入しています。「クライアントが欲しい色を再現できる職人さんと、最新システムの融合」これによって、弊社が提供する「特色印刷」のクオリティは、クライアントの皆様にご評価頂いております。

―ありがとうございます。その他に、同業他社と比較して違うところを是非PRしてください。
「しない、できない、やりたくないを言わない。」これだと思っています。弊社の営業担当は、全員職人を経験していますので、初めての打ち合わせの段階からお客様の要望を叶えるには、「何が問題」で「その問題はどうすれば解決するか。」と、いうことが分かっています。また、印刷の技術については、先程も申し上げましたが、職人さんと最新システムの融合によって抜け目がありません。全ては、お客様の思い描いておられる製品を再現するためです。過去に、印刷物に「あれ?なんか違うな…」と思われたことや、依頼をできないと断られたご経験をお持ちの方は、是非弊社にご相談ください。

―「しない、できない、やりたくないを言わない。」なかなか言えるものではありません。社長は、お客様に対してどのように貢献されたいですか?
現在、世の中にあるありふれたサービスを提供するというのは当然のことだと考えています。問題は、お客様の期待を凌駕するサービスや価値をいかに提供し続けるかだと考えています。

―ありがとうございます。ご従業員の皆様への思いをお聞かせください。
「他力本願」。決して人任せにして放棄するというような意味合いではありませんよ。会社は、私一人では経営できません。従業員の皆がいるから仕事が出来ています。私は、これを「他力本願」と言っています。また、社長だからと上から何かを言うことは無く、皆とは常に目線を合わせて接することを心がけています。皆と人間力を高めながら、楽しい会社にしていきたいですね。

―今後、会社をどのようにしていきたいですか?
今後、印刷物というモノは世の中から減っていくだろうと予測しています。その為、印刷一本槍では経営が厳しくなるはずです。今後は、それを見越して従来の印刷業だけでなく、弊社が自らイベントや印刷物の企画を行い、弊社から世の中へ発信していくというアクションも積極的に起こしていこうと計画しています。また、Webを上手に活用することで、直接エンドユーザーへ出向けるような体制も整えていこうと計画しております。