有限会社 MASUICHI MASUICHIフードサービス株式会社 代表取締役 国本 忠義




―経営者になろうと思われた動機やキッカケは何だったのでしょうか?
私の父が自宅兼店舗で味付けホルモンの小売りをやっていたんですね。そんな父が、私が26歳の時に、「店を継いでくれないか?」と相談してきたんです。それで、「どうせやるなら!」と、焼肉屋さんを始めました。ちなみに、社名にもお店の屋号にもなっている「益市」は、父のやっていたお店の屋号を引き継いでるんですよ。

―そうだったんですか。お父様のお店が始まりだったんですね。しかし、26歳という若さで事業を引き継がれ、さらにホルモンの小売り店を焼肉屋さんへと展開されたのには、相当の覚悟が必要だったのではないかと思います。いざ、焼肉屋さんをスタートされていかがでしたか?
当初2年間は、思うようにいかずつらい時期でした。本当につらい時期でしたが、売上げや利益よりも、「お客様に喜んで頂くにはどうしたらいいか?」そのことしか頭にはありませんでした。この考えは現在でも全く変わっていません。「どうすれば喜んで頂けるのか?」、「こうすれば喜んで頂けるんじゃないか?」という自問自答は当時から今も続いていますし、これからも終わることはありません。そして、そんなつらい時期を抜け出すことが出来たのは、お客様のおかげです。お店のことやメニューのこと、色々なことをお客様に教えて頂きました。そして、がむしゃらに毎日お客様に喜んで頂きたいという一心で邁進した結果、たくさんのお客様に選んで頂けるようなお店になりました。

―ありがとうございます。「お客様に喜んで頂くこと」。に徹底してフォーカスするということは、分かっていてもなかなか出来ることではないと思います。御社は、複数、店舗展開されていますが、国本社長のその思いはどのようにスタッフの皆様にお伝えになられているのですか?
私が店舗に直接出向き、スタッフを集めて話をするということは滅多にありません。私が直接スタッフの皆に伝えるのは、年に2回行う全スタッフを集めての集会のときくらいではないでしょうか。私の思いや考えは、各責任者の皆が十分に理解してくれていますので彼らが各店舗のスタッフに伝えてくれています。

―なるほど。「お客様に喜んで頂く」ということに、フォーカスされたスタッフの皆様は、純粋にお仕事に対するモチベーションが高いのではないかと思うのですがいかがでしょうか?
比較したりしたことがないので高いかどうかは分かりませんが、スタッフの皆も「お客様に喜んで頂くこと」に対して真剣に向き合ってくれていると感じています。私が何も言わなくても、お店のことや新メニューの開発や研究に積極的に取り組んでくれています。また、スタッフ自身が、「自分がお客様の立場だったら?」ということを常に考えて行動してくれています。

―素晴らしいスタッフの皆様ですね。僕の言い方が違うかもしれませんが、「スタッフの教育」という点ではどのようなことをされていますか?
スタッフが20人いれば、20個の個性があります。私は、それぞれの長所を伸ばし、適材適所で活躍してもらうようにしています。また、わざと失敗をする機会を持ってもらっています。失敗をすると本気で気付くんですよ。本物の気付きです。机を囲んで事例を共有するのもいいかもしれませんが、本人が経験、体験として気付いたことに勝るものはありません。そして、何かが出来たときは本気で褒めます。こういうことをやっています。

―ありがとうございます。少し話の角度が変わります。現在御社は複数店舗展開、事業展開をされていますが、「店舗の運営」ではなく「会社組織の経営」を意識されるようになったキッカケはどの辺りでしたか?
2店舗目である「東店(西九条)」を出したタイミングで「経営」を意識し始めました。というのも、私に付いてきてくれるスタッフ、皆の将来もしっかり考えて背負っていかないといけないわけです。その辺りから、経営を意識しはじめ会社として様々な整備を始めていきました。それは、現在でも続けていて、2012年にセントラルキッチンを作ったのも、スタッフの皆の働き方改革の一環で、仕込み時間を少しでも短くして皆の時間的負担を少しでも軽減するという目的で作りました。

―なるほど。今後についてはどのようなことをお考えですか?
今後何をするにしても、その根底には「お客様に喜んで頂くこと」。この思いがあります。これは、絶対に揺るぎませんし、最も大切にしている思いです。複数の店舗をやっているので、もっとビジネスライクな考えを持っていると思われる方もいらっしゃるかと思いますが、本当に「お客様に喜んで頂くこと」。ただ直向きにその思いと向き合っています。それをとことんまで突き詰めた結果、たくさんの皆様から色々お話を頂けるようになりました。今は、それら頂いたお話を一つ一つ精査して、もっと「お客様に喜んで頂けること」。を作り出していこうとしているところです。