株式会社トランスポート ナカガワ 代表取締役 中川 澄夫



―中川社長は、20代の頃に大手物流企業で働かれていたとホームページで拝見しました。そこから、経営者の道に進まれるまでどのようなことがありましたか?
皆様もご存知の大手物流企業で働いた後、移住しようと思って家族全員でオーストラリアのメルボルンへ行ったんです。移住に向けての計画なんてせずに行ったのですが、現地に降り立ったその日に、泊まったホテルの一階にあった日本食レストランの日本人オーナーとすぐに仲良くなって働かせてもらうことになったんですよ。その一週間後には、現地でアパートを借りて暮らしていました。

―ちょっと待ってください!頭がついていきません!怒涛の展開じゃないですか!しかしながら、今は京都で物流会社を経営されていますが、オーストラリアライフから何があって今に至るんですか?
日本ではトラックの運転手をして、オーストラリアではそれまでとは全然畑違いの日本食レストランの仕事に就いたんですよ。でもね、これが肌に合ったんですよ。それから、ビザの関係などで、しばらく日本とオーストラリアを行ったり来たりしていました。それで、日本に帰ってから教材の営業の仕事をしていたんですが、その時に昔の物流会社の元同僚と偶然、道でバッタリ出会ったんです。その時、その元同僚は荷物の載せ替えをやっていて、私はそれを手伝ったんです。昔を思い出してとても懐かしい気持ちになるのと同時に、汗をかく仕事もいいなと感じたんですね。それで、中古の2トントラックを買ったんです。

―前職の同僚の方を手伝って昔を思い出して懐かしむのは分かりますが、だからと言って2トントラックは買わないと思います。とんでもない決断力というかエネルギーというか、圧倒されます・・・。それが、御社のはじまりですか?
そうですね。私がその2トントラック一台で開業したのが弊社のはじまりですね。平成5年のことです。それから、昔担当していたお客様をご挨拶がてら回っていくと、ありがたいことに皆様私を覚えていてくださったんですよ。辞めてから5年も経っていたのにも関わらずです!嬉しかったですね。そして、事を頼みたい!とおっしゃってくださるお客様がたくさんいらっしゃったんです。ありがたく受けさせて頂き、朝から晩まで一人で走り回っていました。そうして日々、お客様の為に一生懸命仕事をしていると、色々な方々から、「こんな仕事できないか?」とか「こんな人がいるんだけど・・・」というように、色々なご縁を頂くようになったんですね。そんなご縁の一つ一つを大事にしてきた結果、今となっては100台以上のトラックと100名程度のスタッフが頑張ってくれています。

―サラッとおっしゃいますが、そんな簡単というか単純なことではないことだけは僕でも分かります。それだけ人を惹きつける、引き寄せるのには理由があるかと思うのですが、中川社長は「人」に対してどのような思いや考えをお持ちですか?
人は皆、様々な人や仕事と出会いますが、その全ては「縁」だと思っています。そして、その縁というものは、「良い縁」も「悪い縁」も必然にやって来ます。そういう「縁」というものとどう付き合うかで将来が変わると考えています。なかでも、「悪い縁」がやってきたときの対応が大切です。悪い縁だからと言ってこちらからむやみに切ってしまうのではなく、そういうときは、相手方に切って頂くんですね。そして、そうして頂いたことに感謝の気持ちを持つことが大切なんですね。

―なるほど。「良い縁」も「悪い縁」も平等にやってくるですか。インタビューをしながら勉強させて頂いています。では、お客様に対してはどのような思いをお持ちですか?
「ちゃんと届けることは当たり前。お客様にどう満足していただくか。」これが大切だと考えています。弊社では、A地点からB地点にお預かりしたお荷物を送り届けるだけ。という仕事よりも、お受けする仕事の多くはA地点からB地点に行って、そこで何かしらの付帯作業が発生するようなお仕事です。例えば、弊社でやらせて頂いている、大手家電量販店様の配送と設置が正にそれです。家電量販店様のお客様宅に新しい家電をお届けして、古い家電を引き上げてくる訳ですが、長年お使いの家電を動かすと下に埃が溜まっていたり汚れていたりする訳です。そんな時弊社のスタッフは掃除をするんですね。そうすることで、お仕事の依頼を下さっている家電量販店様からは、弊社に仕事を任せていれば安心だと判断していただけますし、何よりその家電量販店様で家電を買われたお客様には、満足して喜んでもらうことが出来ます。お客様皆様にそう感じて頂けるように、「ちゃんと届けることは当たり前。お客様にどう満足していただくか。」これについては、これからももっと追求していきますよ。

―ありがとうございます。そのお考えは、どの業界でも言えることだと思います。では、スタッフの皆様とはどのような思いで接していらっしゃいますか?心がけていらっしゃることがあれば是非お聞かせください。
スタッフ全員と常日頃どう接しているか?がとても重要だと考えています。スタッフ一人一人をいつも注意深く見ていると、いつもと少し所作が違ったり、挨拶や他愛ない会話のイントネーションがいつもと少し違ったりします。私や管理職のメンバーは、この違いを感じ取れないといけないんですね。この違いを感じ取って、声をかけたり等こちらから何かアクションを起こすことで、そのスタッフが抱えている悩みや問題が解決したり、気が楽になったりするかもしれません。ひょっとすると、そこまでする必要はないのかもしれませんが、この縁は大事にしていきたいと思うんですよ。だからいつもニコニコ笑顔で、素直にありがとうと言い合える。そんな関係でいたいですね。スタッフの皆とも何かの「縁」でつながった訳ですから。