マルヨ藤井木材株式会社 代表取締役社長 藤井 弘之



―藤井社長は、先代のお父様から事業を承継されたとのことですが、元々お父様はどのような経緯で事業を始められたのですか?
私が、高校一年生の時に、父が勤めていた木材屋さんが廃業することになったんですね。その時に、その木材屋さんの取引先の皆様の勧めとバックアップで独立に踏み切ったそうです。

―なるほど。藤井社長はどのタイミングで入社されて、どのような経緯で事業を承継されたのでしょうか?
私が、入社したのは高校卒業後です。そして、今から10年ほど前に先代の父から引継ぎの依頼を受けて代表に就任しました。

―高校卒業と同時に家業に入られたんですね。当時は、家業とは違う他の業界へ進むというようなことはお考えになりませんでしたか?
なんせ、物心ついたときから父の職場である木材屋さんを遊び場のようにしていましたから、木という存在が自然に私の生活の一部になっていたんですね。ですから、いざ仕事をすると考えたときには、他の業界へ進むというより父の会社に入るというほうが私にとっては自然だったんです。

―なるほど。自然に現在の道に進まれたんですね。そういうお仕事って素敵ですね。現在のこちらの場所を選ばれたのはどうしてですか?
地元というのが大きい理由ですね。先代の父は、独立当時宇治で事業を始めたんですが、ご縁を頂いて現在のこちらに戻ってくることが出来ました。

―そうだったんですね。御社は、住宅木材や建材の小売り業をされているとのことですが、最も得意とされているのはどういった分野でしょうか?
改修工事等の現場で急に発生する決め事に対する提案や敏速な対応については自信を持っています。私は、ただ、モノを販売して終わりと言う訳ではなく、一緒に一つのモノを作っているという意識を持って一件一件取り組んでいます。その為、自分からどんどん現場へ出向いて行って、お互いの仕事をリスペクトできるようなコミュニケーションを取るように心がけています。

―なるほど。僕のイメージする木材屋さんは現場に行かれるイメージが無いので意外です。お客様への貢献という切り口で考えた場合どのようなことをお考えですか?
工務店さんや建設会社さんの工事を円滑に進めるためには、無くてはならない存在になりたいと考えています。弊社と同じように木材を取り扱う大手商社が面倒で細かいと判断して二の足を踏むようなお仕事にも対応していくことが弊社なりの貢献だと考えています。

―直接現場に出向いて現場の話が出来るというのは、とても心強い存在だと思います。御社のオリジナリティと言いますか、差別化と言いますか、その辺りで特徴的なことがあればお聞かせください。
弊社は、少数精鋭の会社なので、業種の枠にとらわれず弊社に出来る範囲の事でやれることはやらせて頂いています。例えば、材木の加工や大工仕事とかです。また、取り扱う木材が商品であることは間違いないのですが、私を含め働く従業員それぞれが、「自分を商品」として考え行動することで、弊社のような少数精鋭の会社は存在価値を出していかないといけないと考えています。

―なるほど。そういった思いやお考えは、従業員の皆様へは日頃どのようにお伝えされていますか?
弊社の従業員の皆は、「真面目で素直」という一番大切なものを備えてくれている頼りになる存在です。一人一人が会社の要として、本当によく頑張ってくれていると感じています。そんな皆に口うるさく言うようなことは無いのですが、何にでも感謝してほしいということだけは伝えています。面倒だなぁと感じるのは気持ちがどこかでテングになっているときなので、謙虚な気持ちをもって、必要とされていること、声をかけてもらえることに感謝の気持ちを持ち続けて欲しいと思っています。

―「真面目で素直」というのは素敵です。僕も見習わないと…。このタイミングで変な質問かもしれませんが、「木材の魅力」って何でしょうか?
木材の魅力を一言で語ることは非常に難しいですが、木材の魅力の代表的なものに「経年美」が挙げられると思います。現在の日本の家の多くは木が表立って見えませんが、日本の和風建築には木が表立って見える建物の良さがあります。木の経年美を感じられる日本の和風建築をしっかりと継承していくことで、木材の魅力を伝えていきたいですね。

―確かに、最近の新しい家は柱とかの木が見えないですね。最後になりますが、藤井社長は、会社の今後についてどのようなことをお考えですか?
街の商店街が大型ショッピングモールの出現で衰退していくように、弊社のような木材屋は大手商社の影響を受けています。その為、衰退産業的に感じられている業種なので、前にお話しした「木材の魅力」を伝えながら、存在価値を備えて提供できる木材屋になっていきたいと考えています。