京都電工株式会社 代表取締役 河村 泰三



―御社は、先代のお父様が創業されたとのことですが、創業当時から現在のような地域に密着した街の電気店だったのでしょうか?
商売自体は、祖父が営んでいた紳士服屋が始まりのようです。それから、父が戦後、進駐軍の払い下げの車の部品を市役所に卸すというような事業をしたりした時期があったようです。それから、父は2度の倒産を経験して、最終的に現在の京都電工のベースになる電気店を始めたようです。当時は、家電三種の神器に象徴されるような家電ブームの真っ只中で、とにかく売れに売れたそうです。例えば、テレビなんかはトラックに積んで走っていると、「そのテレビを売ってくれ!」と走って追いかけてくる人が大勢いたくらいすごかったようです。

―今からは考えられませんが、そんな時期があったんですね!河村社長はどのタイミングで現在の家業に入られたんですか?
大学4回生で留学したんですが、留学させてもらう条件が「卒業後、メーカーに入社する。」ということだったんです。ですから、留学して、卒業すると同時に就職試験なんて受けずに名前だけ書いてメーカーに入社しました。そこで、家電についての色々なことを勉強させてもらって、2年経ったタイミングで退職して家業に入りました。

―なるほど。そんな交換条件があったんですね…。しかし、名前だけ書いて入社だなんて…時代なんですかね…なんかすごいです…。メーカーで修業されて家業に入られたことで、家業の事業や方針に何か変化はありましたか?
事業自体は、地域に密着した町の電気屋さんとして大きな変化はありませんでしたよ。ただ、世の中の電気屋の在り方が少しづつ変わり始めている時期でした。「地域密着型の電気店」と「多店舗展開する電気店」の二極化が始まる時期でした。

―現在は、あちこちで家電量販店を目にするようになっていますが、そんな現在に至る変化のはじまりの時期だったんですね。 何か、社長が事業を継承されてから新しく始められたことはありませんか?
家業を継いだ以上は、自分の色を出したいと思いましたし、町の電気屋さんに収まるのもイヤでした。ですから、当時にしては珍しくパソコンを扱いだしたんです。「Windows95」の発売が、パソコンの爆発的な普及の起爆剤になって瞬く間に広がりましたが、私がパソコンを扱いだしたのは、その何年も前の事でした。そんなタイミングからパソコンを扱っていたので、蓄積されたノウハウや知識、経験は相当量のストックがあるので、現在では、ただのパソコンの販売のみならず、その周辺環境の整備についても相談をお受けしていますよ。

―何と言いますか、「街の電気屋さん」という言葉では収まっていない気がします・・・。その時代その時代で変化して、フィットされているように感じます。では、現在御社の最も得意な分野は何でしょうか ?
「何でもやります!」というのが弊社の売りですね。勿論、出来ないこともありますから、その時は出来ませんと言いますが、とにかく何でも相談してもらいたいとは思っています。また、ここ数年では補助金や助成金を活用した省エネ設備の導入等の提案が得意ですよ。私は、電気屋の社長ですが行政書士ではありません。ですから、補助金等の申請を代行しても費用は頂かないんです。ですから、弊社に依頼してくださったお客様は単純に助成金や補助金を活用して安く省エネ設備を導入していただけるんですよ。

―すごいですね!誰も損しないじゃないですか!それに、省エネ設備が広がると環境にも優しい。他に、御社の特徴は何でしょうか?
「営業活動をしていない。」っていうのが特徴というか自慢ですね。既にお付き合いのあるお客様からのご依頼や相談、ご紹介と自社のホームページからの反響で毎日忙しくさせて頂いています。中でも、ホームページからの問い合わせの多さにはびっくりしています。ビフォーアフター等の事例をとにかくたくさん載せているんですが、それをご覧になられたお客様からの問い合わせが本当に多いんです。

―またまたスゴイ。そんな問い合わせが欲しくて皆さんSEOだのなんだの、あの手この手やる訳ですが…。でも、実際ネットの反響ってどうですか?玉石混合というのか色々なお客様がいらっしゃると思うのですが。
確かに、色々なお客様から反響があります。例えば、「ネットで買った冷蔵庫をマンションの3階まで持って上がって欲しい。」とか。「それウチに言う?」みたいな問い合わせがあります。そういう場合、こちらからお断りしてもいいのかもしれませんが、無下に断るようなことはしないんですよ。そういうお客様に対しても、しっかりコストがかかることをお伝えして、それでもご納得頂けるようなら対応させて頂いています。

―なるほど。ネットで何でも買える時代ですから、そういう問い合わせもあるんですね。今後については、どのようなことをお考えですか?
社内に、親族がいないので、血縁関係のない従業員にどうやって円滑に事業承継するか?が当面の課題かと考えています。今後円滑に事業承継出来るように、考え方やノウハウ、社内実務といった金銭面以外の部分に関して、誰かに一任するのではなく全員で共有して取り組んでもらっています。