三滝モータース 代表 三滝 弘士



―家業を継がれた皆様には、いつも冒頭にこんな質問をさせて頂くのですが、継ぐことに抵抗はありませんでしたか?
高校時代に高校卒業と同時に家業に入ることに抵抗があって大学に行ったんですよ。でも、大学に行っても就職活動をする時期は来ますよね。私達が就職活動をしていたタイミングは、就職氷河期のど真ん中だったんですね。内定も中々取り難いし、そんな中就職した先輩連中もすぐに仕事を辞めたりしてるし、こんなんなら頑張って就職してサラリーマンをやるより、家を継いだ方がいいって思ったんです。この時期には、高校生の時に感じていた抵抗はなくなっていましたよ。

―三滝さんとは年代が近いのでその時代のことはよく分かります。そしたら、卒業後はすんなり家業に入られたんですか?
卒業後は、家業に入る前にYAMAHAのバイク専門店で4年間ほど修行をしましたよ。そこで、バイクの修理やメンテナンスに必要な資格の取得をさせてもらったり色々な勉強をさせてもらいました。

―修業のような期間があったんですね。それから家業に入られていかがでしたか?何か他社の良いところを家業に取り入れたりっていうようなことはありませんでしたか?
それがね、特に何もやらなかったんですよ。というより、私がパニック障害っていう心の病を患ったのでそれどころではなかったんです。この病気によって、仕事や日常生活の色々な場面で色々な制限を受けるというか出来ないことがあったんです。私が、そうなると家業に影響が出そうですが、父も現役で頑張ってくれていますし、100年前からこの土地で商売をしているという歴史があったので事業に致命的な問題は起きませんでした。結局、この病気とは10年以上付き合うことになりました。

―そういうことがあったんですね。今ではすっかりお元気そうに見受けますが、状況が変わるキッカケになるようなことがあったのですか?
言い方は悪いかもしれませんが、「のらりくらい、このままでいいか・・・。」なんて思いながら、毎日を過ごしていたんですね。そして、39歳のときに店のあるこの地域では有名な経営者の先輩に、「一緒に勉強会へ行かないか?」と、声をかけてもらったんです。今までは、十何年も内に引きこもっていて、限られた人としか接することはありませんでしたし、声を掛けてもらったとは言え外に出ることが怖かったんです。でも、声を掛けてくださったのが地域の有名人だったので、思い切って飛び込んでみたんです。それから、少しづつですが上を向いて前向きになり、何でも取り入れられるようになってきたんです。今だから言えますが、どんなに小さいと思えるような事でも、自分の枠から飛び出してみることは本当に大切なことだと思います。

―そうですね。同感です。今やすっかり敏腕経営者になられた現在、御社の得意なことをお聞かせください。
敏腕って・・・。得意なことは、メンテナンスや修理といった整備が得意ですよ。こう言うと、そんなの他もそうやろ?みたいに思われるかもしれませんが、うちは接客と整備のバランスが絶妙に取れていると思うんです。良い接客をして販売するというお店は、規模の大小を問わずいたるところにドンドン出来ていますが、いい接客をして整備をするなんていう店はなかなかないんじゃないですかね?誤解が無いようにお伝えしておきますが、整備だけじゃなくて、自転車やバイクの販売もやっていますよ。

―確かに、自転車やバイクの整備ってちょっとコワモテというかとっつきにくそうな年配の整備士さんがされているイメージがあります。100年も続くお店を継がれて、お客様に対してどのような思いをお持ちですか?
まずは、とにかくありがたい次第です。地域の皆様には本当に感謝しています。うちのお店を昔から贔屓にして頂いている皆様に対しては出来る限りのことをやれせて頂きたいと考えています。例えば、店の営業終了後でも修理したバイクや自転車を配達したり、ホコリだらけのバイクをメンテンナスに持ってこられたら、洗車してお届けしたり。些細なことかもしれませんが、お客様に対してはこういうことの積み重ねが大切だと考えています。

―ありがとうございます。他の同業さんと比較して特徴的なことや、三滝モータースの今後についてお聞かせください。
店に来てもらえれば、相当量の「展示車」がありますので、その中からお好きな自転車やバイクを選んで頂ければ「販売」させて頂きます。また、故障や点検といった「整備」もやらせて頂いており、必要に応じて「代車」もご用意しています。このように、自転車やバイクといった二輪車に関するお困りごとについては、ワンストップで対応することが可能で、尚且つお客様に安心や納得をご提供するうえで不可欠な「接客」にも自信を持っています。これら全てがバランスよく備わっているのが弊社の特徴ですね。しかし、弱点もあるんです。それは、お子様用の自転車の展示なんですね。今は、スペースなどの問題で展示できていないのですが、お子様の自転車を展示できると、一家族丸ごと全員の乗り物を地域の皆様にご提案できるんですよ。車椅子の修理やメンテナンスもやっているので、お子様の自転車を展示できると、今よりももっと幅広い年代の地域の皆様のお役に立てると思うので、相応に実現させたいですね!