株式会社 すぎうら 代表取締役 杉浦 茂樹



―数年前までよく寄せてもらっていたお店の代表にまさかこんなかたちでお目にかかるとは思いませんでした!では、早速ですが杉浦社長が料理の道に進まれたキッカケと言いますか、始まりはどのようなものだったのでしょうか?
始まりは、16歳の頃でした。最初に勤めたのは当時宇治にあった仕出し屋さんでした。そこで、5年程料理のいろはを学ばせて頂きました。それから21歳の頃、その仕出し屋さんの別業態の四条烏丸を少し下がったところにあった魚料理を売りにしたお店に移ったんです。そこでは、徹底的に魚の事を学ばせて頂きました。当時は、現在のように鮮魚の流通網が整っていなかったんですね。そんな時代に新鮮なお魚を皆様にお届けするために、週に数回自分たちでいけす付きのトラックを運転して店の営業が終わってから各地の漁港まで車を走らせて生きた魚を京都まで運んでお店で出していたんです。当時、そんなことをやっているお店なんてありませんでしたから、評判が評判を呼んでとても流行っていました。

―少し“四季の味すぎうら”のルーツが見えたように思います。それから独立されるに当たっては何かキッカケがあったんですか?
キッカケになるような出来事があったから独立したっていうのではないんです。元々、16歳で料理の道を志したときから「10年間修業して独立する!」と決めていたので26歳で独立して、烏丸高辻に“四季の味すぎうら”一号店をオープンしました。

―初志貫徹ですね。なかなか出来ることではないと思います。すごいです。いざご自身のお店を持たれていかがでしたか?
はじめは、「居酒屋以上、割烹未満」を目指していたのですが、26歳でそのコンセプトを前面に打ち出すには、ハードルが高かったように思います。その為、オープンから4~5年は試行錯誤の毎日でした。そして、試行錯誤の末、アットホームな雰囲気を売りに、周辺の会社勤めをされている皆様に宴会に使って頂けるように当時では珍しい飲み放題を始めたんですね。この評判が良くて、連日たくさんのお客様にお越し頂けるようになったんです。

―試練の時期があられたんですね。現在は、完全に経営に専念されているように見受けますが、どのようなきっかけで現場を離れられたのでしょうか?
26歳で独立して丁度20年の節目を迎えた頃、板前としてお店に立ちながら経営者として様々な活動をするプレイングマネージャーのような役を離れ経営に専念したいと強く思うようになったんですね。自分だけが良いのではなくて、従業員のみんなや弊社と関係のある皆様の為にも店舗展開をして事業を拡大させる必要があると強く感じたんです。それから、“四季の味すぎうら”の他に“酒と魚とオトコマエ食堂”を展開するようになりました。

―店舗や事業が拡大すると新ポストや新ポジションが生まれますし、関係する取引先の業者さんからしても取引量が多くなるので全員幸せですね。では、現在において御社の得意な分野となるとどのようなことが挙げられるのでしょうか?
四季の味すぎうらは、宴会を中心に皆様にご利用頂いているんですね。すぎうらにおいては、予約をしないで飛び込みでお越しになられるお客様が少ないんですよ。一方、オトコマエ食堂は、宴会とかそういうことに囚われず、とにかく多くのお客様にカジュアルに様々なシーンでご利用頂けるよう間口を広げています。すぎうらとは逆の業態と言えるのかもしれません。また、「地産地消」という言葉をよく耳にする現在ですが、京都にお住いの皆様にご利用いただくことの多い弊社では、「他産地消」と言って色々な地域から目利きをして産地とお客様を繋ぐ架け橋になるようなお料理やお酒をご用意しています。

―他産地消ですか。京都に居ながら全国からの選りすぐり食べ物やお酒に出会えるのは素晴らしいことだと思います。四季の味すぎうらにしても酒と魚とオトコマエ食堂にしても、共通して言えるお客様への貢献とはどのようなものになりますか?
美味しいものを食べたり、美味しいお酒を飲んだりして、幸せな気持ちになって笑顔がこぼれるっていうのは、年齢も国籍も何も関係ありませんよね。そういうお客様を見ると私達も同じように幸せな気持ちになりますし笑顔がこぼれます。まさに、笑顔の連鎖ですよね。この笑顔の連鎖を食を通じて皆様に提供し続けることが私達なりの地域や社会に対しての貢献だと考えています。

―笑顔の連鎖。素敵な言葉ですね。最後になりますが、今後についてはどのようなことをお考えでしょうか?
弊社は、2018年10月にセントラルキッチンを作ったんですね。目的は、店舗スタッフのみんなの拘束時間を少しでも短縮して負担を少しでも減らすと言うことだったんですが、この目的を果たす以外にも副産物があったんです。それは、超一等地への出店が可能になったということです。セントラルキッチンがあることで、出店先のテナントに大掛かりなキッチンが必要ないんですよ。大掛かりなキッチンスペースが必要ない分、テナントスペースを効率良く使えたり、席数を増やしたりできる訳です。場合によっては、換気ダクトが無くて加熱調理が出来ないという条件のある場所でも出店が可能なんですね。現時点で、大阪や東京の超一等地での出店が決まっているのですが、今後についてもセントラルキッチンを最大限活用できる展開を精力的に行っていきますよ。