株式会社 孔葉堂 代表取締役 伊藤 一子



―伊藤社長は、どんなキッカケでこちらに入社されたんですか?
高校3年生の時にアルバイトで入ったのが最初ですよ。それから、卒業と同時に正社員になりました。高校3年生でここでアルバイトをする前は、お稽古事をたくさんやっていたので、勤めた経験っていうのはここしかないんですよ。

―えっ!?初めてアルバイトをした会社でそのまま社長になるなんてすごいですね!吉野家、井村屋、ブックオフ。アルバイトから社長になられた話は聞きますが、一社しかご経験されていないというのは中々いらっしゃらない気がします。一体どんなお仕事内容なんですか?すごく気になります!
弊社は、京都の色々な観光地のお土産物屋さんの軒先で昆布茶を販売する仕事をしているんですね。ですから、アルバイトの時も正社員として入社してからも、京都の色々な観光地のお土産物屋さんの軒先で昆布茶を販売ていましたよ。事務所の事務員さんが定年退職されてからは、事務仕事もやるようになりましたが、空いている時間は観光地に販売しに行っていました。

―立ち仕事ですし、声を掛けても全員が全員買ってくれませんよね?決して楽ではないお仕事だと思うのですが…。それから、どのような経緯で代表に就任されたんですか?
楽ではないお仕事かもしれませんが、私は楽しかったですね。それに、時代の流れとともに、お土産物屋さんの軒先での販売だけでなく、通販業務も忙しくなってきたりしたので業務にも変化があって楽しかったです。そして、代表に就任した大きなキッカケは先代社長が大病を患われて逝去されたことですね。当時は、創業家で社内で働かれている方もいらっしゃらなかったので私が代表となり会社をお預かりすることになりました。そんなキッカケで代表に就任し、創業家から会社をお預かりするような状態が2020年9月まで続きましたが、公認会計士の先生のアドバイスで一旦会社を清算し、2020年10月に新法人を設立し現在に至ります。

―そういう経緯があったんですね。観光地のお土産屋さんの軒先販売から始まって、通販事業もされているとのことですが、他にどのようなことをされているのでしょうか?現在の得意なことってなんですか?
昨年から続く新型コロナウイルスの影響で観光産業は大打撃を受けていますよね。人が来ないわけですから。私どもの事業は昆布茶という食品の小売業ではありますが、観光地との関係が相当強いので小売業でありながら観光業でもあると考えているんです。観光業と考えると、京都だけではどうにもならないので、全国の観光寺院やお土産物屋さんと一緒になってOEMの商品作りに力を入れています。

―お土産物のOEMですか。どのようなものでしょうか?また、そういうのって伊藤社長から営業に行かれるんですか?
そうです。私から各地のお土産物屋さんや観光寺院にガンガン営業に行きますよ!弊社で扱っている昆布茶をその場所その場所で売れそうな形に変えて販売しましょう!って提案しに行くんですよ。弊社は、大きなメーカーではありませんから、お客様からの小ロットでの依頼にも対応できるので結構引き合いは多いですよ。

―うわー。すごいエネルギーですね!観光地の景色とか建物というようなそこにしかなくて動かせないものは仕方ないとは思いますが、それ以外のお土産物のような「モノ」はもっと柔軟であってもいいと思うのですがどう思われますか?僕は、中身は一緒で「京都ばな奈」があってもいいと思うんですよ。
確かに、その場所特有のものはあってしかるべきだとは思います。そういったその土地特有のお土産を買うことが旅行の醍醐味の一つでもありますから。でも、お土産物の全部が全部そうではなくていいと思いますね。私が、各地で提案しているOEMなんて正にその考え方です。地産地消の垣根を下げるとでも言いますか、必要以上にその土地での販売にこだわって疲弊して経営が危ぶまれるくらいなら外に目を向けた方がいいと思います。日本全国が観光というジャンルで手を結び発信していくことで、観光産業は変わっていくように思います。

―確かに。観光産業に詳しい訳ではありませんが、そう思います。日頃、スタッフの皆様へはどのようなことをお話されていますか?
相手に何かを言ったり、したりするときは常に自分に置き換えて考えてから、言ったりしたりして欲しいとお願いしています。他にも、スタッフの皆に「一日早い?楽しい?」って聞くんですね。それで「早い!」と言われれば、仕事を楽しんでるんだなって思うんですよね。

―最後になりますが、今後どのようなことをお考えですか?
昆布茶というベースは変わることはありません。現在のコロナ禍を転機として今は色々準備期間中なんです。今後も続ける商品や辞める商品を冷静に判断したりできたのは良かったです。また、今回のコロナ禍で如何にお土産に依存していたのかが痛いほど分かったので、これからは弊社の良い部分は残しつつガラッと変えていこうと考えています。