株式会社 アカイノロシ 代表取締役 矢野 龍平



―「Laughter」を開かれるまでのストーリーはホームページにドラマチックに書かれていたので、今日はその辺りは深く突っ込みませんね。皆様には是非ホームページを見てもらいましょう。さて、大学在学中に起業されていますが、起業する気満々で学生時代を過ごされていたんですか?
そんなことはないですよ。在学中に何が何でも起業しようなんて思っていませんでした。タイから帰って来て、ゼミの先生のすすめで出たビジネスプランコンテストの影響が大きいですね。それから起業を意識するようになりました。僕がタイのコーヒー農園でコーヒーを飲むことや味わうこと以外で感じた部分を疑似的に日本でも体験できるようなコーヒー屋が出来ないか?って考えたんですね。

―ビジネスプランコンテストの事は、ホームページでも触れられてましたね。コンテストに出られて結果はどうでしたか?
準グランプリでした。ゼミの先生からも、賞を獲ったら起業することを勧められていたので、相当力を入れて臨んだんですが準グランプリ。悔しかったですね。悔しくて悔しくて気持ちが収まらなかったので起業することを決意して、2018年10月15日に株式会社アカイノロシを設立しました。

―そのときグランプリを獲得していたら起業はされていても、もっと形が違ったかもしれませんね。それから、法人設立後、その足でタイにいって1トンのコーヒー豆を買われたんですよね?いきなり1トンのコーヒー豆を買う!?すごいですね・・・。それからどうされましたか?
2018年12月半ばに1トンのコーヒー豆が到着したんです。それで、2019年1月くらいから生豆の卸売を始めたんですね。10店位の取引先は案外簡単に増えたんですが、2回目の追加注文が入らないんですよ。どうしようかなぁなんて考えながら、この頃は一般の皆様に向けて色々なイベントでコーヒーを出させて貰っていたんですね。卸売と違って直接お客様と接する訳ですが、かなりウケが良かったんですね。そして、2019年4月頃から一般のお客様を意識してオンラインショップの開設と、積極的なイベント出店をしていったんです。

―お客様の反応を見ながら着実に前に進まれていた訳ですね。どの辺りから、お店を出すことを意識されるようになったのですか?
2019年10月辺りから、四条河原町にある商業施設へ週末だけ出店させてもらっていたんです。この商業施設は、立地も良くて集客力もありました。そんな施設内で、人の多い週末に出店させて頂いてたので僕たちの出店ブースへも沢山のお客様にお越し頂けました。でも、ある日気付いたんです。来ていただくお客様のほとんどは、この施設目当てで来ているお客様だと。僕たちに付いているお客様ではないんです。もちろん僕たちのお店を目当てに来てくださるお客様もいらっしゃいましたが、多いとは言えませんでした。そう気付いてから、自分たちのお店を出したいと考えるようになりました。

―なるほど。でも、2019年10月だとコロナ禍の前ですね。店舗をやるとなると色々影響はあっただろうと思いますが、実際どうでしたか?
その辺りの時期は、イベントへの出店とオンラインショップでの販売の2本柱だったんですが、コロナ禍の影響で2020年4、5月は軒並みイベントが中止になったので実活動が完全に止まったんです。この頃、国も色々な補助金や助成金を用意してくれていたのですが、社歴が浅かったりとかいろいろな条件が引っかかって何も受けることが出来なかったんです。

―えっ!普通にまずいじゃないですか!どうやって切り抜けたんですか?
いや、本当にね、「何かしないと終わるぞ!」って真剣に思いましたよ。それが、2020年6月頃だったのですが、何かしないといけないってことで、この頃いろんなコーヒー屋さんを偵察して回ったんです。すると、すごいことが分かったんです。それは、「住宅街のコーヒー屋さんの売上は落ちていない。」っていうことです。国も企業もテレワークをすすめたことによって家に居る時間が増えたのでコーヒーの小売りが増えたことが要因の一つのようでした。この時に、実店舗がダメなんじゃなくて、やり方次第なんだなと強く感じました。だから、高額な賃料を支払って街中に店を出すんじゃなくて、住宅街で店をだそうと決意しました。

―色々な場所に住宅街がありますが、その中でも西陣を選ばれたのにはなにか理由があるのでしょうか?
まず、物件ですね。京都は、ウナギの寝床なんて言われるような狭小間口で奥に長いという特徴の物件が多いんです。それが、昔からの住宅街となると余計にその傾向は強いように思います。しかし、今のこの物件は、西陣という古くからある地域であるにも関わらず、非常に間口が広く、奥行きも丁度良いんですよ。冒頭にお話ししたコーヒーの味以外を疑似的に感じることが出来る空間を演出するのに丁度だったんです。他にも土地柄や賃料等のいろんな条件を加味してここに決めました。そして、2020年10月15日、会社設立から丁度2年後のこの日に「Laughter」をオープンしました。

―なんかいちいちドラマチックですね!かっこいいと思います。これから、どんなことをお考えですか?
「如何に、コーヒー屋さんとして勝負しないか。」がテーマなんですが、「Laughter」をコーヒーにとらわれないブランドにしたいとは考えています。だから、お店の名前に「コーヒー」を入れなかったんです。このお店を通して世の中に「コーヒーを体験すると言う経験を提案する」なんてことをしたいですね。また、現在取り組んでいる花屋さんやチョコレート屋さんといった異業種とのコラボにも力を入れていこうと考えています。