有限会社 ウエリントン 代表取締役 瀬戸 直人



―6年程前、僕の家の玄関ドアを購入した会社の代表にこんなかたちでお目にかかることになるなんて思いませんでした!「ステンドとアンティークドアの専門店」。ずいぶんニッチだと思うのですが、どんなキッカケで御社は始まったのですか?
僕は大学に2年通って志半ばで中退したんですね。大学を辞めるにあたって、親には必要以上の心配を掛けたくなかったので、就職先を探していたんですよ。それで、その時のアルバイト先の同僚が掛け持ちしていたアンティークの家具屋さんが求人を募集していると教えてくれたので、面接を受けに行ってそのまま就職しました。アンティークの業界に入った一番最初のキッカケはこんな感じでしたね。ちなみに、その時僕にアンティークの家具屋さんを紹介してくれた当時の同僚は今ここで経理をやってくれています。

―じゃあ、アンティークが好きで好きで堪らなくて!的な感じで始められたんじゃないんですか!?何か意外です。この業界の方は、小さい頃からこういうアンティークが好きなイメージを勝手に持っていたので。それからどうされたんですか?
当時は、「就職する。」と言うことが第一でしたから正直アンティークが好きかどうかは二の次でした。でも、今はこの仕事に出会えて本当に良かったと思いますし大好きですよ。それで、その入ったアンティークの家具屋さんでは、そこの社長は勿論ですが、扱っていたヨーロッパ家具を輸入するときにお世話になっていた商社の社長やその他の取引先の社長に本当に色々なことを教えてもらいました。そして、僕なりに真剣に仕事と向き合った結果、月の売上を劇的に伸ばすことが出来たんですね。売上を増やせたと言っても単月では意味がないので、その売上を1年程度継続したある日、社長と僕の待遇の話になったんですね。それで、その時に金銭面でどうこうではなく、人に対しの思いや考え方が全く違うことが分かって、それから、気持ちの部分での溝というかすれ違いが始まりました。その辺りから辞めることを考え出しましたね。

―その当時は、20代前半くらいですよね?御社のように在庫が必要なビジネスを始めるとなるとどうしても資金が必要になると思うのですが、その辺りはどうされたんですか?ましてアンティークとなると、輸入しないといけない訳で初期投資がかなりの額になるんじゃないかなんて思うのですが。
辞めようか考えているという話を当時の取引先の社長に相談していたんですよ。そしたら、その社長が、「開業資金は応援するから自分でやってみたら?」と言ってくださったので、思いっきり助けて頂きました。その社長の助けで、現在のテナントも借りて、はじめの商品も輸入することが出来ました。そんな風に準備が出来たからと言って、いきなりお世話になった家具屋さんを辞めることは出来なかったので、家具屋さんで今まで通り家具を販売しながら、家具屋さんの天井を借りて僕の商品の照明を販売して、同時に後を任せられるスタッフの育成を約1年程続けました。

―なるほど。円満に退職して独立されたんですね。いざ独立されていかがでしたか?また、昨年から続くコロナ禍はどんな影響がありますか?
独立するに当たっては、アンティークドアとステンドの専門店にしたんです。ランチェスター戦略っていうこともありましたが、家具までやってしまうと前の会社とバッティングしてしまいますからね。独立してからは、割と順調に業績を伸ばして来たように思います。でも、2011年はしんどかったです。2008年あたりから極端な円高が続いていたんですね。この時期は、輸入業者はどこも良かった時期でした。そして迎えた2011年。過去最高売上だ!なんて喜んでいた時、税理士さんに「赤字です・・・。」と言われたんです。びっくりしました。寝耳に水もいいとこですよ。でも、この時期外部環境を全く見ていなかったんです。世の中は、どんどん円安に向かっていて仕入れ原価が約25%アップしていたことにも、世の中がアンティークを使って豪華に見せるというトレンドから、シンプルでカッコイイというトレンドに変わっていったことにも気づきませんでした。この時に、外部環境を見ることの重要性を痛感しました。それから、昨年からのコロナ禍。弊社も影響を受けていますが、このコロナ禍のお陰で、社内をじっくり見るキッカケになったのである意味良かったかもしれません。

―順風満帆ではなかったんですね。しかし、学生時代のアルバイト先の同僚さんが現在経理をされているというのにはびっくりしています。さっきスルーしたわけではありませんよ!そういう関係が続くのって、すごいことだと思うのですが、スタッフの皆様に対してはどんな思いをお持ちですか?
ここに勤めてくれているスタッフの皆が周りの人に、「良い会社に勤めてるね!」って言ってもらえる会社にしたいんですよ。それに、皆の生活が豊かになるような会社にしたいとも思っていますが、僕一人で全部背負い込んで僕一人でやってやろうなんて考えていないんですね。皆でやろうと思っていますし、皆にも全員でやろうと話しています。ですから、良いことも悪いことも何でも皆で話しています。社長に代表されるような「役職」どうこうではなくて、皆でそれぞれの「役割」を全うしようと常々言っています。

―ありがとうございます。経験として外部環境や社内を見ることの重要性を痛感された瀬戸社長がイメージされている今後についてお聞かせください。
僕は、この会社をどんな人でも輝ける会社にしたいと考えているんです。その為には、いろんな部署を作らないといけないと考えていて、いろんな部署を作るためには当然会社の規模を大きくしていかないといけない訳です。それを叶える方法として、現在取り組んでいるのが「レンタル業」です。弊社で取り扱っている色々な商品をイベントや写真撮影用に貸し出すわけですが、これを東京、大阪、福岡で倉庫を借りて展開しようと計画しています。このレンタル業と現在の物販を世の中へリリースすることで、全ての空間にキラキラ輝きを広めていきたいですね。