アサミジュン 代表・出張料理人 浅見 淳



―浅見さんは、どうして料理の世界に入られたのですか?
単純に料理が好きだったというのが大きいですね。それで、僕は調理科のある高校に入ったんですよ。全国的にも調理科のある高校は珍しいんですけど、そんな高校が地元の東京にあったんですよ。そして、卒業後は僕が入りたくて仕方なかった日本一のレストランに入るために有名な調理の専門学校に進んだんです。そこの専門学校の卒業生には、そのレストランが一定数の入社枠を用意してくれていたんです。そして、卒業後は当初の目論見通りその日本一のレストランに入社することが出来ました。

―浅見さん、東京出身なんですね!関西人全開の僕は何か構えてしまいます…。それはさておき、高校生のときに自分の将来を見据えて進学先を決めるなんてすごいですね。そして、その目的を果たすのもすごいと思います!憧れのレストランに入社されていかがでしたか?
それは本当に勉強させて頂きましたし、楽しかったですよ。その会社は、フレンチとイタリアンをやっていたのですが、入社して、最初の6年程はフレンチの部署で勉強させてもらっていました。そのうち2年はパティシエの勉強もさせてもらったので、とても刺激的な毎日を過ごさせてもらっていました。それからは、自分で異動願を出して、イタリアンへ異動させてもらいました。

―フレンチからイタリアンへ移られるのには、理由というかキッカケがあったんですか?
その会社が運営しているイタリアンレストランの中で、お客様を楽しませるエンターテイメント性の高いイタリアンレストランがあったんですよ。そこに、勉強の意味で食事をしに行ったときに、「ここで働きたい!」って思ったんですよ。それで、そのイタリアンのお店におは10年程いました。そして、最終的に、そこで僕が料理長のときに「ミシュラン二つ星」も獲得しました。

―え?今何かサラッととんでもないこと言われました?ミシュラン二つ星?え?すごいじゃないですか!そんなとこまで行かれたのに、どうして退職されたんですか?で、どういう経緯で「出張料理人」という道を選ばれたんですか?
確かに、ミシュラン二つ星というのはとても光栄なことです。でも、当時いたお店は、キッチンはキッチン、ホールはホールという風に完全に分かれていたんですね。そんなスタイルのお店に16年間いる間に、どんどん「自分で接客やサービスをしながらを料理をしたい。」という想いが強くなっていたんですよ。それで、ミシュランで星を獲得できたタイミングを一つの節目として退職することにしたんです。そして、退職を決めたタイミングでは、そのレストランの京都の出店に携わっていて京都にいたので、そのまま京都で次のレストランに勤めることにしました。それで、そのレストランというのは同業のプロの料理人が食事をしに来るようなところだったんですね。ですから、予約のお電話を頂いてもお子様がいらっしゃればお断りしないといけませんし、お店が地下でエレベーターが無いために足の不自由なお客様にご来店いただくことが難しいんです。そこでの時間を過ごす中で、お子様でもハンディキャップのあるお客様でも誰でも分け隔てなく、皆様に僕の料理を楽しんでもらいたいと強烈に思うようになったんです。そして、「来て頂くことが難しいなら僕が行けばいい。」そう考えて「出張料理人」という道を選びました。

―ミシュラン二つ星の出張料理人ってカッコイイし、中々出会えるもんじゃないと思うんですが…。地元の東京に戻っての開業ではなく、京都での開業となると地元に比べてどうしてもお知り合いの数が少なくて集客がきつそうだと思うのですが、その辺りはどうされているのですか?
地元じゃない京都だからどうとかっていうのは特に感じたことはありませんよ。今は、色々なお客様や知り合いの皆様からのご紹介の他、インスタグラムやクラブハウスといったSNSも積極的に活用しています。そういったWeb媒体を活用していると、北海道の方から出張の依頼が来たりするので、集客はおろか活動拠点の問題も感じたことがありません。

―現代的!いいですね!出張料理人ってテレビに出ているような家政婦さん的なイメージを持たれる方がいらっしゃるかもしれませんが違いますよね?どういうイメージでしょうか?
短時間で大量の作り置きを作ったり、ただ食欲を満たす料理を作るっていうのはイメージと違いますね。どうしても!と言われればやりますが。それよりも、僕が大切にしているのは、「その日だけの料理。あなただけの特別。」をお届けすることなんですね。そんなお料理を作るために、出張訪問日前には事前にそのお客様と色々なお話をして打ち合わせをさせて頂きます。そして、訪問当日は事前に伺ったお話を元に、そのお客様のストーリーを感じられるような「その日だけの料理。あなただけの特別。」をお届けします。

―「その日だけの料理。あなただけの特別。」って素敵ですね。それを、ミシュラン二つ星のシェフが!自宅で!何かスゴイです…。今後についてはどのようなことを計画されていますか?
今のところ、出張料理人という大きな方向性は変えるつもりはありませんよ。かといって現状を維持するのではなくて、今考えているのは、「出張先のご家庭にレストランを持ち込みたいんです。テーブル、テーブルクロス、照明、絵画、食器等々。レストランの構成要素の全てをそのまま持ち込みたいんです。そうすれば、もっと多くの方に喜びや感動をご提供できると考えているんです。そして、近い将来「情熱大陸」にでますよ!