株式会社 ユリヤ 代表取締役 光嶋 英治郎



―光嶋社長は、どのような経緯で家業に入られたのですか?他の道に進もうなんて思われた時期はありませんでしたか?
実は私には姉と兄がいて、私は末っ子なんです。ですので、子供の頃から家業は兄が継ぐものと思っていました。しかし、兄は家業ではない別の仕事にやりがいを感じて、そのまま家業とは違う道を進んでいくことになったんです。一方、私はと言うと京都を飛び出し東京の大学を出て、名古屋のアパレル関係の会社に就職したんですが、仕事が上手くいかないのとある種のホームシックのような状態になって早々に退職して、京都に帰って来たんですね。それからしばらくは、アルバイトしたりしてゆっくりしていました。そんな時に父から、「堀川商店街に出店するから、1年程店番をして欲しい。」と言われて、それを引き受けることにしました。家業に携わったのはこの時が一番最初です。

―そんな経緯があったんですね。店番の依頼を受けた時ってまだ本腰を入れてって感じでもないですよね?どの辺りから、本腰を入れて家業に入られたのですか?
一年と言われていた店番も結局三年程やることになったんです。その間も、全然本腰は入っていませんでした。でも、三年程経った頃から父が百貨店の催事に出だしたんですね。最初の方は、「大変そうだなぁ・・・。」なんて、傍から見ているだけだったんです。でも、あまりに大変そうだったので、「手伝おうか?」って言ったんです。それから、私も催事の現場へ行くわけですが、いざ行ってみると、「社長の息子さん」や「後継ぎ」とかそんな見られ方をするわけですよ。そして、接客をして、弊社の商品を喜んでくださるお客様の笑顔を見ると良いモノを扱っているんだと再確認出来ましたし、何より仕事が楽しかったんです。この体験をキッカケに、「自分が何となく後を継ぐのかな・・・。」と意識するようになり、本腰を入れるようになりました。

―なるほど。催事への参加がキッカケになられたんですね。それからどのようにして事業を継承されたのですか?
割と早い段階で父の方から、代表の交代について打診があったのですが、会社の状況や、私自身が結婚したことを考えるとどうしようかな…。と交代を引き受けるのに二の足を踏む状態が何年も続きました。そんな状態が何年も続いたときに、当時、東九条にあった会社から現在の吉祥院に移転する話が出てきたんです。そうすれば、会社の状況も変わりますし、何より心機一転できるこのタイミングで自分が代表を継ごうということで2018年11月に事業を継承しました。

―ありがとうございます。代表に就任されて約3年ですね。この3年は、光嶋社長にとってどんな期間でしたか?
肩書が変わったことで、モノの見え方が今までと少し違っているようには感じています。ですから、日々、気付きの連続で経営者をして勉強中です。

―なるほど。現在、経営者として大切にしている信条は何ですか?
私の座右の銘は、「謙のみ福を受く」なんですね。光嶋家は代々、イケイケのタイプの家系ではありませんので、謙虚に出しゃばらない。そんなことを大切にしています。また、頂戴したご相談事については最大限の結果が残せるように対応することを心がけています。

―中国の古典ですね。それでは、現在光嶋社長が最も努力されていることは何ですか?
経営者としての振る舞いを勉強しています。私は、学生時代から友達のグループ内でも目立たないタイプだったんですが、私が現在入っている商工会議所の青年部では部会長をやっています。そういう今までにないような経験を重ねることで、現在は社員のほとんどが私より随分年上ですが、今後私よりも若い世代の従業員を雇用した時に彼らをしっかり引っ張っていけるような経営者になろうとしています。

―そういうことをされているんですね。代表に就任されてからの3年間で最大のピンチはどんなことでしたか?
やはりコロナです。売上は半分になりました。でも、一旦立ち止まることが出来て良かったと感じています。社内のマニュアルが無いということを長年気にしていたのですが、そのマニュアルを整備することが出来ましたし、自社の強みの洗い出しやコロナ後の動きを考える時間が出来ました。そう思うと悪いことばかりではなかったように思います。

―売上こそ落ち込んだにせよ、光嶋社長が良かったと思える側面があってよかったです。クライアントへはどのように貢献したいですか?
弊社のクライアントである、スーパーや観光地やホテルの皆様が「ユリヤのあられ」を通して、そこを訪れるお客様の来店のキッカケになったり、商品ラインナップの充実に貢献していきたいと考えています。

―ありがとうございます。最後に、今後の御社の計画をお聞かせください。
現在、私は43歳でして、私以外のメンバーはほぼ全員年上です。これがダメだという訳ではありませんが、ずっとこのままという訳に行かないので会社の若返りには早々に着手しないといけないと考えています。熟練のメンバーからノウハウや技術をしっかり引き継いで、これから仲間になる若いメンバーがやりがいのある事業にしていきたいと考えています。