株式会社 レール・ナチュール 代表取締役 鈴村 明日香



―鈴村社長は、前職は違うお仕事をされていたと伺いましたが、どんな経緯でこの業種を選ばれ起業されたんですか?
私の前職は、看護師さんの転職をサポートするコンサルだったんですね。転職をお手伝いする訳ですから、希望条件等から始まって色々なお話をするんです。その中で、看護師の皆様の中には、かなりメンタル面でつらい思いをされている方がいらっしゃることが分かったんです。更に、仕事と家庭や子育てとを両立させることを考えるとどうしてもやりたい仕事が選べないという悩みを抱えていらっしゃる方も多いことを知りました。そんな看護師の皆様がメンタル面でも仕事の面においても、今皆様が抱えていらっしゃる「働きづらさ」を解決したいという想いで2020年4月に弊社を創業しました。

―看護師の皆様はハードワークと聞きます・・・。訪問看護の中でも精神に特化されたのには、どのような理由があるんですか?
「訪問看護」というと一般的には避けられる傾向が強いんですね。というのも、深夜に呼び出しがあったりと、イレギュラーなことが多々発生するからなんです。そこを、弊社はA型やB型作業所に対して看護師を派遣させて頂いているんですね。なぜかというと、基本的に作業所が空いている時間に合わせて対応すればいいので、イレギュラーなことが発生しずらく看護師が比較的働きやすいんです。また、精神に特化したのは、精神科・障害福祉というのは正解がないんです。また、誰一人として同じ方はいらっしゃいません。そんな皆様の個性を尊重しながら関わらせて頂くことにとてもやりがいを感じています。

―なるほど。そういう理由だったんですね。昨年、会社を創業されたからこそ経営者として様々な熱い思いをお持ちだと思いますが、今最も大切にされている信条や考え方とはどのようなことでしょうか?
とにかく、看護師の皆様の働きやすさを一番に考えています。私たちの訪問看護の業界では一般的に一日7件訪問して会社に利益が残ると言われています。でも、これって看護師の皆様からすると相当ハードなんですよ。経営者としては、一件でも多く訪問してもらい気持ちがあることは当然なのですが、それよりも私たちは看護師の皆様の働きやすさを優先しますので、一日の訪問件数や活動量については強制するのではなく、ある程度、各看護師に委ねています。

―なんだかステキじゃないですか。働かれている看護師さんも喜ばれているんじゃないかと思います。昨年、新型コロナウイルスの影響が出始めたタイミングで創業された訳ですから、色々大変なこともあったと思います。この1年での最大のピンチはどんなことでしたか?
2021年3月の障害福祉サービス等の報酬改定です。これは3年に1回、厚生労働省によって行われるものなんですね。昨年、創業した時点で今年それがあることは想定していたのですが、内容が想定外でした。報酬が改定されたことで会社の収入が約85%減ったんです。その時から、創業以来行っていた施設への訪問以外にも、利用者様の中で医療ニーズの高い方の在宅訪問も開始しました。また、それと同時に保険を使わない自費サービスも充実させていきました。

―報酬改定で85%ダウン・・・。約1/7ですよね・・・。乗り越えられたのがすごいと思います。では、今現在、一番努力されていることはなんですか?
これだけインターネットが進んでいるので、取引先とのコンタクトもメールやSNSやZoomで済ませてもいいのかも知れませんが、私は、こんな時代だからこそ取引先一件一件を毎月一回必ず訪問しています。これが努力と言えるかは分かりませんが、最も心がけている事です。

―ありがとうございます。僕も個人的に、こんなデジタルな時代だからこそアナログなことを大事にしていきたいと考えています。では、クライアントの皆様に対しては、どのように貢献されたいですか?
現在の弊社のクライアントの多くはA型やB型の作業所の経営者の皆様なんです。そんな作業所の経営者の皆様に、私たちのような医療職が来るということで、安心して利用者様を迎えられるという安心感を提供したいと考えています。また、施設経営者の皆様や施設で働かれているスタッフの皆様に対して、施設同士のつながりを持ってもらう橋渡しや医療知識の提供、そして、主治医がいらっしゃらない利用者様に対してはクリニックや病院をご紹介しています。このようなことをすることが、現在の弊社なりの貢献だと考えています。

―ありがとうございます。今後については、どのようなことをお考えですか?
様々な方が持たれている生きづらさや悩みを話すことが出来る場所を創りたいと考えています。そして、私たちが運営している「訪問看護ステーションエクモに出会えて良かった!」と、一人でも多くの方に思って頂きたいです。
また、、私たちが関係する施設というのは、横のつながりがあまりない業界なんですが、それぞれの施設の経営者の皆様に話を伺うと、施設間で関係を持つことの重要性や必要性を話されるんです。ですから、私がそんな施設同士の橋渡しのような存在になりたいですね。そして、何より私たちの仕事は、人の人生に関わる大切なお仕事なんです。私たちと出会い、そして関わることでその方の人生が幸せで豊かなものになるキッカケになることが出来ると本当に嬉しく思います。