アサヒ食材 代表 渡辺 航



―渡辺さんはどのような経緯でこちらに入社されたのでしょうか?初めからこちらですか?
大学を卒業してからまずは、大阪の食品製造メーカーに1年半程勤めました。それから、父と伯父が経営していた小売店向け食品卸業の会社に入りました。それから、時代の流れと共に大型スーパーがどんどん台頭して来たことで、卸先であった町の小売店がどんどんなくなっていきました。そして、2009年3月、会社は約90年の歴史に幕を下ろすことになったんです。それで、その当時の会社の取引先の一つがアサヒ食材だったんです。アサヒ食材の先代と私の父とは、家も近く近所付き合いもあるくらい親しくしていました。そんな関係だったアサヒ食材の先代が私の父に、「息子さんはどうしてるんや?うちは、娘2人で後継ぎがいないから、良かったら後を継ぐつもりでうちに来てくれないか?」という打診を受けたんです。当時の私は、次の仕事を何にしようか考えているところだったので、この話を受けて2009年12月に入社することになりました。

―ご縁というか、そういうキッカケもあるんですね。昔、大型スーパーの台頭によって・・・というお話をされていましたが、そういうご経験をされた渡辺さんには、昨年からのこのコロナ禍はどのように映っているのでしょうか?また、どのような対策をされていますか?
弊社は、お好み焼き屋さんやたこ焼き屋さんというような、いわゆる「粉もん屋さん」に特化して事業を行ってきました。昨年からのコロナ禍で、お酒を出すお店やテイクアウトが難しいお店は軒並みお店を閉めていらっしゃいます。取引先が営業されないとなると単純に弊社も売り上げが下がります。現在は、たこ焼き、焼きそば、焼き菓子、お蕎麦、ラーメン、介護施設といった事業者の皆様は動いていますが、当然本調子ではありませんし緊急事態宣言等による何かしらの制限を受けた中で営業されています。元々、弊社は飲食店向けの食材卸業なので、取引先を拡大するにしても今の時期は現実的に難しいです。これからは、売り方を変えるか売り先を変えるか等、今後の展開を考えないといけないのですが動けていないのが現状です。

―なるほど。ありがとうございます。飲食店を対象とした事業の拡大は今は難しいですよね…。では、現在のこのコロナ禍、どのようなことに最も時間を使われていますか?
既存顧客のフォローをしながら2015年から参加している同友会の活動にも時間を使っています。昨年の一回目の緊急事態宣言時、何をどうするべきか判断がつかなかったときも、同友会の仲間と色々な情報を共有出来て本当に助かりました。金融機関の借入に関する情報、助成金や補助金等の情報、すぐに役立つ色々な情報が入って来ました。今後も積極的に活動に参加し、もっとより良い情報交換の場になるよう日々活動しています。

―昨年は、前例のない経験の中で判断が難しくて足を止めざるを得ない経営者の方が多くいらっしゃったと聞きます。現在、経営者として大切にされている信条や考え方はどういったことですか?
経営理念とビジョンを明確に持つことだと考えています。これも同友会で学んだことなのですが、経営理念やビジョンを明確に持つことによって、的確に判断を下せるようになりましたし、的確な行動を取ることが出来るようになりました。また、やっていいことと、やってはいけないことを明確にしているので、都度都度判断に困るようなことは無くなりました。

―ありがとうございます。まだ、コロナ禍の影響が色濃い昨今ですが、お客様への貢献という切り口で考えた場合どのようなことをお考えですか?
日々、お客様からご注文頂く商品を確実に配達するなんて言うことは当然のこととして、配達するのと同時に、長年地域密着でやってきている強みを生かした弊社ならではの情報提供をすることが弊社なりの貢献なんじゃないかと考えています。そうすることで、食品の枠にとらわれず、「渡辺さんにこんなん聞いてもアカンかもしれんけど・・・。」なんて言いながらも色々なご相談を頂けているので、お役に立てているんだななんて感じています。また、スピード感も重要と考えているので相談に対する回答は可能な限り早急にお持ちするようにしています。

―スピード感というのはどの業界でも重要なことですね!では、従業員に皆様へはどのような思いをお持ちですか?
「経営者」と「従業員」という立場は、どうやっても変わりません。でも私は、役割の呼び名が違うだけで、全員対等だと考えいます。ですから、経営者だからこれはやらなくていいとかは無いと思っています。そうは言っても経営者しか出来ない仕事というものがあることは事実なので、それをやることは当然なのですが、それ以外の事も積極的に自分からやるようにしています。

―渡辺さんのモチベーションの源はなんでしょうか?
継続してご注文を頂けることで、信用や信頼をして頂いているんだなと感じるんです。そう感じることが、日々の仕事のモチベーションになっていることは間違いありません。

―ありがとうございます。最後に、今後のことについてお聞かせください。
今後については、従来通りの卸売りは勿論ですが、新しく3つの事を考えています。一つ目がネット販売。二つ目が一般消費者向けの小売り。三つ目が宅配やテイクアウトです。今までは、事業者様を対象として卸売りしかやって来ませんでしたが、これから一般消費者の皆様に対する事業も始めていこうと考えています。また、いずれにしても「粉もん材料特化型の卸売店、小売店」としてこれからも地域社会や、事業者様や一般消費者様を問わず幅広いお客様の為、時代に合わせた事業展開して行こうと考えております。