株式会社 サンライズ 代表取締役 田中 光照



―田中社長の事業は「ビデオ試写室」の経営ですよね。決して多くない事業形態だと思うのですが、一番初めはどのようなキッカケでこのお仕事を始められたのでしょうか?
現在のビデオ試写室の前身の事業を、建設系の会社が経営していたんです。前身の事業というのはテレクラなんですが、そのテレクラに20歳の時にアルバイトで入ったんです。これがキッカケです。当時のアルバイトのメンバーは仲のいいメンバーで、働いているという感じよりも、ただそこに居てワイワイしているという感じでした。仕事が8時間で終わっても家に帰ってやることが無いので仲間のいるその場所に16時間位いるというようなことが日常でした。感覚的に皆が8時間で「1」する仕事を、私は16時間かけてやっているような感じでした。つまり8時間では「0.5」な訳です。ですから、上層部は「あいつを辞めさせろ。」と言っていたようなんですが、私の上司であり会社のナンバー2の先輩がそれを止めてくれていたようでした。その期待を受けてという訳ではありませんが、長時間店にいると次第に「0.5」が「0.6」になり、そして「0.7」になっていきました。このようにじわじわ仕事が出来るようになっても、相変わらず私は16時間いますから結果的に「2」やるようになったんです。

―8時間分の報酬で人の倍の成果を出してくれるなら会社として問題がないどころかありがたいですよね。労働時間とかの法的な細かいことは抜きにして。それから現在の事業を始められるまでにどのようなことがあったのでしょうか?
アルバイトで入って1,2年程した頃、本社に行くことがあったんです。そしたら、事務スタッフの女性がパソコンを使って仕事をしていたんです。その仕事というのは、当時私が手書きでやっていたような表計算でした。これに衝撃を受けて、アルバイトという立場でありましたが自腹でパソコンを買って仕事場に持ち込んだんです。それから独学でパソコンの事を学び始めるのですが、この頃には私の仕事は「3」とか「4」になっていて、尚且つパソコンも使える訳ですから会社からすると、使い勝手のいい存在になっていました。そして、23歳の頃に正社員になりました。それから、時代の流れの中でテレクラが法の規制を受けるようになり、そのスペースを活用して他の事業をしようということでビデオ試写室を始めたんです。この頃、伏見と山科と大宮と新京極にお店がありました。しかし、社長が将来を見据えた時にビデオ試写室の事業が会社の今後とそぐわないということで切り離す話が出たんです。その頃の私は、業種や職種がどうこうではなく独立したいと考えていたんです。そんな私の思惑を知ってか知らずか社長から事業を買い取らないか?という話をもらったんです。そして、その話を受けるかたちで29歳の7月1日に独立しました。

―事業を買い取る!それも29歳で!なんだかスゴイお話ですね…。それから今に至るまで色々なことがあったと思いますが、中でもピンチだった時のお話をお聞かせ頂きたいのですが。
7月1日に独立して社長になったといっても前日の6月30日とは何も変わらないんです。独立前、私は4店舗の統括という立場でしたが、7月1日を迎えても何も変わらず気持ちは統括のままでした。更に、当時の私はそれぞれの店舗のスタッフとの関係が上手くいっていなかったんです。「田中がいなくても店は回せる。」なんて陰で言われていました。そんな時の事です。近くにライバル店が出来たんです。これによって、月の売上が約60%ダウンしました。この時に、私とスタッフとの間にあった人の問題や会社の問題について深く考えていなかったことを目の当たりにし、自分は統括ではなく経営者であり社長なんだということを痛感したんです。

―なるほど。立場が変わったからと言って、自動的に考えた方まで変わる訳ではありませんもんね。スタッフとの関係というお話がありましたが、現在の田中社長のスタッフの皆様への思いをお聞かせください。
社員もアルバイトも関わらず、皆によく話すのは「自分に原因を持ってください。」ということです。というのも、何かに取り組んだ結果が「×」なら、そのプロセスが「?」である可能性が高い訳です。ですから、結果を良くするためにはプロセスを改善しないといけない訳ですが、その時にプロセスが「?」だった原因を他人にもっていくと、その瞬間から自分が関与できなくなってしまうんです。そうなると自分では何の改善も出来なくなるので、自分に原因を持ってきてほしいと言っています。この考え方は、全ての原点だと考えています。

―自分に原因を持つというのは僕も賛成です。次に田中社長が今最も時間を使われたり努力されていたりすることはどのようなことですか?
私たちはお客様に対して「何を売っているのか?」ということをよく考えるのですが、私たちはお客様に対して「自分の時間と空間」を提供していると考えています。お客様にご自身の時間を如何に快適に過ごして頂くか、その時間と空間をプロデュースすることが弊社の強みでありお客様への貢献だと考えていますので、これを軸にどういう事業をしてくのかを考えることに最も時間を使っています。

―ありがとうございます。最後になりますが、会社の今後についてどのようなことをお考えでしょうか?
現在の事業のビデオ試写は100%男性が対象です。しかし、私達の仕事というのは「自分の時間と空間の提供」な訳です。そう考えると当然女性も対象になって来ます。そんな女性に対して「どのような時間と空間を提供するのか?」ということですが、「女性が困ったときの時間と空間」をプロデュースしようと計画しています。具体的には、女性がお化粧や着替えといった自分の身の周りの事ができる女性しか使えないパウダールームのようなスペースを街中に創ろうと構想をどんどん具現化していっています。このように私の持っている時間と空間をプロデュースするノウハウや技術を使って一人でも多くの方を幸せにできれば本当に幸せに思います。